7月の終わり、ブロンプトンで佐渡島を一周してきました。35℃でのサイクリングは余りに過酷で、事前の準備不足もあり、少しばかり後悔が残る旅となりました。これから佐渡一周を計画しているサイクリストの一助となることを期待して、私の失敗談を記そうと思います。
事前のサイクリング計画
佐渡島を一周すると約210km。走行性能があまり高くないブロンプトンで走るため、2拍3日で走破しようと考えていました。テントを持っていくので宿泊はキャンプ場。出発前に計画していたのは以下の通り。
1日目。両津港~松ヶ崎ヒストリーパーク。走行距離は約34.2km。
2日目。松ヶ崎ヒストリーパーク~入崎キャンプ場。走行距離は116km。
3日目。入崎キャンプ場~両津港。走行距離は59.9km。
余力があれば佐渡金山や尖閣湾などの観光名所にも立ち寄るつもりでいました。
実際に持って行った物
荷物はできるだけ少なくして、ブロンプトン純正のTバッグに収まる量のみとしました。Tバッグの容量は30L。
過去の記憶を辿って持って行った物を集めてみました。
ちなみに、上記の物を詰め込んだバッグの重さは4.63kg。
上記写真のアイテムに、ランタン、3日分の着替えと3食分の食料、カメラ、ヘルメットを加えた荷物で佐渡島へ向かいました。
[box class=”yellow_box” title=”荷物一覧”]【宿泊道具】テント、マット、シュラフシーツ(夏の低地キャンプはこれで十分)、エアーピロー、ランタン
【炊飯道具】エスビット、風除け、メスティン、3食分の食料
【自転車道具】パンク修理キット、ライト2個、鍵
【着替え】下着3セット、ハーフパンツ1枚
【その他】モバイルバッテリー[/box]
いざ、佐渡島へ
新潟駅から佐渡汽船のフェリー乗り場にはブロンプトンで移動。30分もかからなかったと思います。カーフェリーに乗り込み佐渡島へ。
佐渡島に到着。時刻は15:00過ぎ。松ヶ崎ヒストリーパークへ向かいます。
17:30くらいに松ヶ崎ヒストリーパークに到着。ロードバイクで旅する2名の先客がいました。邪魔にならないように、離れた位置に荷物をまとめ、テントの設営をはじめました。
と、ここで気が付きました。テントを地面と固定するための「ペグ」を購入し忘れている! 実は、今回持参したテントは1年前に購入したもので、一度も設営していないのです。ずいぶん前にペグを買わなきゃと思っていて、そのままになっていました。。。
とはいえ、テントは自立式。この時の私は、何とかなるだろうと楽観的に考えていて、ペグ無しでテントを設営しました。
19:00。少し風の音がしてきました。
19:30。だいぶ強く、風の音が聞こえます。
20:00。テントが飛ばされそうです!
20:30。助けてください!!!
パニックになってはいけない。こんな時こそ冷静にならなければ。そういえば、バッグにショルダーベルトがついていました。バッグのショルダーベルトと公園の看板の足を結束すればテントが飛ばされることは避けられるのではないか。無い頭で考えて、何とかそんなアイデアをひねり出すことができました。早速実行に移してみます。テントから出ると、風にあおられてテントが飛ばされそうになります。荷物の重さだけではテントが飛ばされるくらい風が強い。もう必死です。テントを片手で抑えながら、何とかテントと看板の足を結束することができました。これでひと安心。我慢していたトイレにも、やっと行くことができます(笑)。
何もすることがないので、早めに就寝することにします。と思ったのですが、風がテントをたたく音がうるさすぎて眠れません。朝まで風は止まず、結局1、2時間くらいしか眠れませんでした。初日から満身創痍です。
この日の佐渡島は風速8m。松ヶ崎ヒストリーパークは海に面しているため、もう少し風が強いはず。野営する場合は、風の強さにも気を付ける必要があるんだと、実体験と共に学ぶことができました。
2日目
朝4:00。弱まったとはいえ、まだ風が残る中、テントを撤収。そそくさとキャンプ地を後しにします。寝不足のせいで頭がぼーっとしますが、気持ちを奮い立たせます。何せ今日は100km以上走らなければならないから。
海がきれい。目を楽しませてくれる景色が、次々に現れます。
11:30。佐和田に到着。35℃の酷暑でこれ以上自転車に乗るのは自殺行為だと悟る。ひとまず何か食べて考えようと、飲食店を検索しました。「すしやまるいし」という良さそうな回転寿司屋が見つかったので向かいました。並んでいる人はいませんでしたが、店内はほぼ満席。人気店のようです。空いている席に座り、寿司レーンを回っている寿司を見ると、佐渡でとれたブリの握り(2個)が130円!安すぎる。しかも美味しい。佐渡の回転寿司のコスパの高さに驚きつつ、1,000円分くらい食べて空腹を満たしました。
さて、これからどうするか。冷静になって考えました。寝不足なうえ、35℃の猛暑。とても自転車で残りの距離を走る気力がわきません。このまま東京へ戻ろうかとも考えましたが、なかなか来れる場所ではないということもあり、何とか島一周できる解決方法を考えました。導き出した結論は「夜走る」でした。近くにインターネットカフェがあったので、夕方まで仮眠することにしました。
インターネットカフェでシャワーを浴びて軽く眠ると、気力が戻っているのを感じました。これなら残りの100km強を走りきれるはずです。近くの牛丼屋で腹ごしらえをして、走り出しました。
そんなわけで、日没後の写真はありません。
尖閣湾、大野亀など、観光名所は暗闇の中、通過しました。灼熱地獄からの解放と引き換えに、美しい風景を楽しむ機会を手放したのです。致し方ありません。
佐和田を18:30に出発してから8時間後、2:30に両津港にたどり着きました。フェリー乗り場の建物は開いていて、5:30頃のフェリーの時間まで、ベンチに座ってボケっとしていました。体は疲弊していて、帰りのフェリーや電車ではずっと眠っていました。佐渡島を一周したという達成感はありましたが、佐渡島の北半分を楽しめなかった後悔が残る旅でした。
今回の旅に思うこと
真夏に佐渡島一周を計画するべきではありませんでした。行程を2拍3日に分けて余裕をもって組まれた計画が遂行できなくなるほど、猛暑日でのサイクリングは過酷でした。5月や10月頃に来島するように計画するといいかもしれません。
ブロンプトンの荷物は、もっと減らすべきでした。走行性能の低いブロンプトンにキャンプ道具を載せて走ると、さらに進まなくなり、体力を奪われます。アップダウンの連続で体力を削られ、じっくりカメラを構える気力もありませんでした。三脚や一眼デジタルカメラは不要です。コンデジで十分でした。
宿泊に関しては、おとなしく宿に泊まるべきでした。キャンプ道具を家に置いてこれますし、温泉に入って布団で眠れば体力も回復します。
反省点を挙げればきりがありませんが、総じて、いい経験をできた旅でした。今回で佐渡島を一周というノルマを達成できたので、次回は心おき無く、観光地巡りに特化したようなサイクリングが計画できます。いつになるか分かりませんが、佐渡島に再訪したいと思います。
[box class=”yellow_box” title=”今回の反省点”]
・真夏に佐渡島一周を計画するべきではなかった。
・もっと荷物を減らすべきだった。
・宿に宿泊するべきだった。
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